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アキラとアキラ、男女ふたりのユニットで運営しています。医療介護、グルメ、アウトドア、文具など書いています。

現金治療って本当に患者さんが来てくれるの?

なんだか最近。同業者から、徒手療法や足底板で喰っていこうかな的な話をよく聞くが、そんなの需要があるのかどうか、どんなもんでっしゃろか?

 

私には判断しかねる。

 

なので、「そうなんだぁ。頑張ってね。」と一応エールを送って、あまり突っ込まないようにしている。

 

まず、徒手療法だが、徒手療法と言うのはやはり治療体系の一つのパーツでしかない。

 

徒手療法だけで完結する治療は私の知る限りでは、ほとんどないと思われる。

 

肩こりを例に出して説明してみよう。

 

肩こりの原因のほとんどは歯の噛み合わせや歯並びの悪さである。でも骨格を矯正したり、歯の治療に行く人はほとんどいない。

 

按摩屋さんでちょっともんでもらって終わり。と言う人が多いのではないだろうか?

 

いくら徒手療法で肩をもみまくったり背骨や骨盤を矯正したり、筋膜リリースだとか何とか言って筋膜のゆがみを取ったところで、歯並びは変わらない。

 

歯を治療しなければ、肩こりは取れない。とはいえ、歯を治療しただけでもダメ。

 

歯の治療が終わっても、体の軸のブレを取らなければ、やっぱり肩こりは治らない。

 

では、図式化してみよう。

 

歯の治療・強制 → 体幹や手足のバランス、ブレの調整 → 筋肉や軟部組織の調整・血流の改善。

 

これだけの手順がかかる。徒手療法だけではどうにもならない。バランス調整一つとっても徒手療法だけでは無理である。

 

つまり、カレーライスを作るのに材料が米しかないようなものだ。

 

確かにお米は美味しいが、いかんせんカレーライスにはならない。

 

医師の行う手術もしかりである。OPEだけでどうにかなるものではない。OPE後の薬物療法や管理が重要である。

 

つまり、切った張っただけが治療ではないということである。メスを入れるのは一つの治療手段でしかない。他の治療と組み合さなければ、意味をなさない。

 

当たり前のように思うかもしれないが、そのことが、形を変えて非薬物療法に当てはめると、見えなくなっている人が多いように思う。

 

薬物療法で言えば、徒手療法や鍼灸治療、運動療法、テーピング療法や装具療法、精神・心理療法等々。様々な治療法を組み合わせて初めて治療が成り立つ。

 

一つの治療法だけで何でも治せるなんてことは、ほぼほぼあり得ない。

 

薬に例えるなら、正露丸一種類ですべての疾患の治療をしようとしているようなものだ。

 

徒手療法や足底板しか武器を持たないで治療と言っても、私にはなんだかピンとこない。

 

薬が2種類しかない薬局に誰が来るのだろうか?と思ってしまう。

 

それなら、医者に行った方がまだましである。品ぞろえだけはあるし、保険だって適応される。

 

良し悪しを問わなければ、病院で処方してもらえば腰痛ベルトだって、膝サポーターだって、お薬のおまけつきで幾らでも作ってもらえる。足底板も同様である。徒手療法だって別に高いお金出して保険外診療に行かなくても、探せば保険適応でやってくれるところなんていくらでもある。

 

医療保険を使って安価でそこそこのものが手に入るのに、高額な治療費を出して保険適応外治療に行くような患者さんがこの国にどれだけいるのだろうか?

 

「お金を出すぐらいなら、寝たきりになった方がましだ!」

 

とばかりに一様に皆寝たきりになっているこの国で、お金を出してちょっとでもましな治療を受けたいと思うような人は、いないと思うんだよね~。

 

特養待機が何万人もいる日本でですよ。お金でも出して、生活を取り戻そうと思っている人がたくさんいるなら、アメリカの二倍もの寝たきり患者がいるわけがないじゃないですか。(100歳以上の寝たきり率のお話です)

 

靴屋や足底板、徒手療法だけで治療。ビジネスモデルとして成り立っていないような気がしてしょうがないんですよね~。

 

私には無理だな。

 

だって、もっと他に治療法たくさんあるのだから、全部組み合わせて治療しないと不安じゃないですか。

 

治るものも治せない。

 

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