北海道、でっかい道。北の男の心意気とミスターレディー
旅は道連れ世は情け、旅先で出会った素敵な人々を紹介していこう。
今回は北海道帯広の素敵なお兄さんたちのお話。
ばんえい競馬が経営不振でなくなるかもしれないと、まことしやかにささやかれていた。
これは、行っておかねば!
ペルシュロン種、ブルトン種、 ベルジャン種。体重が1トンにもなる重種馬が目の前を闊歩する。
でかい! すげー!
松風(花の慶次参照)や黒王(北斗の拳参照)はペルシュロンに違いないと勝手に確信しながら悠然と歩く巨馬を見上げる。
勝ち馬投票券は散々なものだったが、重種馬が人を乗せたそりを引いて、山を登り、滑走する姿に感動を覚えた。
かっこいい!
輓馬の興奮そのままに、帯広の町に繰り出した。
お客さんが5人も入ったら満席といった風のこじんまりした屋台が立ち並ぶ「北の屋台」の一軒に飛び込んだ。
なかには60代の地元のお兄さんが3人、東京から新婚旅行で来ていたカップルが二人、先客でいた。私が入ると、全員で6人。満員御礼。
地元のお兄さんたちは、帯広愛に溢れていた。
「こんな田舎町に新婚旅行で来てくれるなんて嬉しいねぇ」
「輓馬は帯広の宝だ!」
等々
「よし、せっかく帯広に来てくれたんだから、もてなさねぇと、帯広の名折れだ。帯広らしいところに連れて行ってやる」
と、立ち上がった。少し当惑したが、兄さんたちに恥をかかせるわけにはいかない。それに、少しの好奇心。
「ありがとうございます」
とその場の全員が立ち上がった。
兄さんたちが「ここだ、ここだ」
と、必要以上に重そうな鉄の門を開ける。
すると中から、
「いらっしゃ〜い」
と、女性たちに出迎えられた。
兄さんたち以外の3人が顔を見合わせた。
出迎えたおねぇ様方3人は、愛想よく兄さんたちを出迎えると、私たちもソファー席に案内してくれた。
おねぇ様方はいずれも、野太い声。分厚い化粧の下には、青い髭剃り跡。
そこは、まぎれもなくおカマバーだった。
帯広らしいところって……
しこたま、帯広のおカマの不遇さを聞かされて、話もそこそこに、お暇させていただくことにした。
「もう帰るのか?」
と、兄さんたちは残念がったが、よそ者3人衆は最初の一杯だけ御馳走になって、その場を立った。
もう充分です。お兄さんたちの帯広愛は伝わってきましたよ。
口には出さなかったが、心の中で目いっぱい帯広人の心意気に、感謝してホテルに帰った。
m(_ _"m)ペコリ
今日のグルメ
屋台で買ったのですが、このエイひれ凄くないですか?皿からちょっとはみ出しているし、で、でかい。
日本酒片手に「エイひれ」鉄板ですな。( ´∀` )